17.3.31ME/CFSはWHOで神経系疾患と分類

本年も国会請願署名活動にご協力頂きありがとうございます。ME/CFSは1969年から世界保健機関(WHO)の国際疾病分類において神経系疾患(ICD-10 G93.3)と分類されており、今年の請願は国主体で神経系疾患であるME/CFSの正しい認知を広めることを求めています。

神経系疾患は神経内科で扱われる病気です。神経内科では、精神的な問題からではなく、脳や脊髄、神経、筋肉に病気があり、体が不自由になる病気を扱います。体を動かしたり、感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときに、このような病気を疑います。

WHOの国際疾病分類第10版(ICD-10)において、第6章の神経系の疾患(G00-99)のG93には「脳のその他の疾患」が掲載されています。その中のG93.3には、ウイルス感染後疲労症候群(Postviral fatigue syndrome)が掲載されています。さらに詳しくG93「脳のその他の疾患」を見ますと、13番目にウイルス感染後疲労症候群、14番目に良性筋痛性脳脊髄炎(Benign myalgic encephalomyelitis)が掲載されており、どちらもG93.3に分類されています。良性筋痛性脳脊髄炎は、1988年には筋痛性脳脊髄炎として疾患定義が発表されています。

参照:ICD-10
http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/

G93 脳のその他の障害
http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/G00-G99.html

G93 脳のその他の障害の詳細
http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/scripts/search/ICD10_searchw.asp?searchstring=G93

アメリカの研究拠点である国立衛生研究所(NIH)は、昨年ME/CFSを神経系疾患として、国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)が主導して研究を開始しました。また、ME/CFSがWHOにおいて神経系疾患と分類されていることは、カナダの診断基準、筋痛性脳脊髄炎のための国際的合意に基づく診断基準2012年に国際ME/CFS学会が発行した臨床医のための手引きにも書かれており、世界的なコンセンサスになっています。